
台風のニュースで『最大風速30メートル』ってよく聞くけど…
それって、どのくらい強いんだ?

殿下、それはもう!立っていられないほどの風でございます!

あ、洗濯物なんて一瞬で飛んでいっちゃいますよ!

な、なんと!……では、10メートルとか20メートルは?
体感としてどんなものなのだ?
台風シーズンになると、天気予報で「風速○m」という言葉をよく耳にします。
でも実際のところ、「それってどのくらい危険なの?」とピンとこない人も多いですよね。
この記事では、風速の数値ごとに体感・被害・注意点をわかりやすく紹介します。
筆者は17年間公務員として勤務し、警報発令時の住民対応なども経験してきました。
その実体験をもとに、「どの風速から危険なのか」「日常生活ではどんな影響が出るのか」を、イメージしやすい具体例とともに解説していきます。
風速とは?まずは基本をわかりやすく解説

天気予報などで「風速10メートル」と聞くことがありますが、これは1秒間に10メートル進む風という意味です。
単位は「m/s(メートル毎秒)」で、風がどれくらいの速さで移動しているかを表しています。
たとえば風速10m/sなら、1秒で10メートル進むスピード。
時速に直すと36km/hで、ちょうど原付バイクが走るくらいの速さです。
つまり、風速10メートルと聞いたときは「バイク並みの風がずっと吹いている」とイメージするとわかりやすいですね。
また、「瞬間風速」という言葉もよく耳にします。
これは、その場所で一瞬だけ記録された最大の風の強さを指します。
つまり、風速=平均的な風、瞬間風速=一番強い一撃の風 というイメージです。
さらに、風の強さを分類する「風力階級」というものもあります。
たとえば風速10m/sは「やや強い風」、20m/sを超えると「強風」、30m/s以上で「暴風」と呼ばれます。
気象庁ではこの風力階級をもとに、注意報や警報の判断を行っています。
風速ごとの体感と被害の目安|50mの風では何が起こる?

風速の数字だけを聞いてもピンとこないですよね。
そこでここでは、「風速〇メートルのとき、実際にどんな影響があるのか」をイメージしやすく紹介します。
● 風速5m〜10m:外出はできるけれど少し強めの風
このくらいの風だと、顔に風を感じて髪が乱れたり、洗濯物が飛ばされたりするレベルです。
木の枝や旗が大きく揺れ始めるので、「ちょっと風強いな」と思う体感。
自転車に乗ると正面からの風で進みにくさを感じます。
● 風速15m〜20m:歩くのが難しい、傘は壊れるレベル
ここまでくると、外を歩くのがやっとのレベル。
風に押し戻されるような感覚になります。
ビニール傘はまず壊れますし、屋外では帽子や紙類もすぐ飛ばされます。
車の運転ではハンドルが取られやすくなるので注意が必要です。
● 風速25m〜30m:看板や木が倒れ始める危険な強風
この風速では、街路樹や電柱が傾いたり、屋根の一部が飛んだりする被害が出るレベルです。
人が立っているのも難しく、転倒の危険があります。
屋外に出るのは非常に危険で、不要不急の外出は避けたほうが安全です。
● 風速35m以上:建物被害・車の横転リスクも
ここまでくると「暴風」と呼ばれるレベルで、トラックや軽自動車が横転するおそれもあります。
建物の屋根や壁が壊れたり、飛来物による二次被害も発生。
台風のニュースで「最大風速40m」と報じられるのは、このような破壊的な強風を指しています。
💨 風速50mの風では何が起こる?
近年では、これまでの「35m以上=暴風」を超える台風も増えています。
たとえば、2025年10月の台風22号では、東京・八丈島付近で「最大風速50m」「瞬間最大風速70m」という記録的な強風が観測されました。
風速50mは時速180kmに相当し、これは新幹線が走るスピードに近い風が吹き続ける状態です。
このレベルでは、頑丈な鉄骨建物でも損傷するおそれがあり、木造住宅では屋根が飛ぶ、窓ガラスが割れるなどの重大な被害が発生します。
車やトラックも横転の危険があり、屋外での行動は極めて危険です。
こうした極端な風が予想されるときは、「避難」や「屋内退避」が最優先行動になります。
窓ガラスの補強や、停電・断水への備えも事前に行っておくことが大切です。
風速は「たった数メートルの違い」で体感が大きく変わります。
ニュースの数字を見るときは、「どんな影響が出る風なのか」を頭に浮かべておくと、防災意識がぐっと高まりますよ。
台風の「最大風速」と「瞬間風速」の違い

ニュースや天気予報で「最大風速〇〇メートル」「瞬間最大風速〇〇メートル」という言葉をよく聞きますよね。
どちらも風の強さを表しているように見えますが、実は意味がまったく違います。
● 最大風速とは?
「最大風速」は、一定時間(10分間)に観測された風の平均のうち、最も強いものを指します。
つまり、「その台風がどのくらいの強い風を長く吹かせているか」という持続的な力を表しています。
たとえば「最大風速50m」と報じられた場合、10分間ずっと50m/s前後の風が吹き続けているということ。
これはもう屋外に出られる状況ではなく、建物や電線、樹木にも甚大な被害が出るレベルです。
● 瞬間風速とは?
一方で「瞬間風速」は、その中でも一瞬だけ記録された最も強い風のこと。
ほんの1秒未満の突風のピーク値です。
たとえば、最大風速50mの台風で「瞬間風速70m」と報じられるのは、『70m/s(=時速252km)という凄まじい風が吹いた瞬間があった。』という意味です。
このような突風は屋根を一瞬で飛ばしたり、ガラスを割ったりと、破壊力が非常に大きいのが特徴です。
● 台風の勢力は最大風速で分類される
気象庁では台風の「勢力」を、最大風速を基準に次のように区分しています👇
台風の強さ | 最大風速(10分平均) | 特徴 |
強い | 33m/s(約118km/h)以上~44m/s未満 | 木が倒れ始める強さ |
非常に強い | 44m/s(約158km/h)以上~54m/s未満 | 建物被害が出るレベル |
猛烈な | 54m/s(約194km/h)以上 | 大規模な破壊、屋外行動は命の危険 |
ニュースで「猛烈な台風」と報じられるのは、この分類によるものなんですね。
つまり、最大風速=台風の『持続的な力』を示す数値、瞬間風速=一撃の破壊力を示すピーク値。
どちらも台風の危険性を判断するうえで欠かせない指標です。
風速と生活の関係|洗濯・自転車・運転の目安

風速は台風のときだけでなく、私たちの日常生活にも意外と大きな影響を与えています。
ここでは、「風速がどのくらいになると生活にどんな支障が出るのか」を身近な例で見ていきましょう。
🧺 洗濯物は風速何mから注意?
洗濯物が飛ばされやすくなるのは風速5m/sを超えたあたりから。
このくらいになると、ピンチハンガーが回転したり、軽い衣類が舞い上がることがあります。
風速8m/s以上ではタオルやシャツが簡単に飛んでしまうため、屋外で干すときは風よけのある場所か部屋干しが安心です。
特にベランダが高層階にある場合は、風の影響を強く受けるので注意しましょう。
🚴♀️ 自転車は風速何mで危険?
自転車が安定して乗れるのは風速5m/s程度まで。
風速10m/sを超えるとハンドルが取られ、正面からの風ではペダルを踏み込んでも前に進みにくくなります。
風速15m/s以上になると、体ごと持っていかれそうな感覚になり、横風を受けると転倒の危険も。
このレベルでは通勤・通学での自転車利用は避けたほうが安全です。
🚗 車の運転は風速何mで注意?
車の場合、風速20m/sを超えると横風の影響が強くなります。
特に橋の上やトンネル出口では、車体がふらついたり、ハンドルを取られやすくなります。
風速25m/s以上では、軽自動車やトラックが横転する事故も発生します。
高速道路を運転中に「風速20m以上の強風注意」と表示が出たら、スピードを落として慎重に運転し、できれば早めに避難するのがベストです。
風速は数字ではなく体感で覚えておくと便利です。
たとえば、洗濯物・自転車・運転といった日常の行動を基準にしておくと、ニュースで風速を聞いたときに「今は外に出ない方がいいな」とすぐ判断できます。
風速を時速に換算すると?イメージしやすく比較

「風速10メートル」と聞いても、ピンとこない人は多いですよね。
でも時速に換算すると、一気にイメージしやすくなります。
🌬️ 風速を時速に変える簡単な計算式
風速(m/s)を時速(km/h)に直すには、『 風速 × 3.6 = 時速(km/h)』
この式を覚えておくだけでOKです。
たとえば:
- 風速10m/s → 時速36km/h (=原付バイクの速度)
- 風速20m/s → 時速72km/h (=一般道を走る自動車より速いスピード)
- 風速30m/s → 時速108km/h(=高速道路のスピード)
- 風速50m/s → 時速180km/h(=新幹線並み)
こうして見ると、風速50m/sがどれだけ危険かがよく分かりますよね。
🚶♀️ 風速を身近な行動で例えると
- 風速5m/s … 髪や服が揺れ始める
- 風速10m/s … 傘が壊れやすくなる
- 風速20m/s … 自転車は前に進みにくい
- 風速30m/s … 立っていられない
- 風速50m/s … 建物被害・車横転レベル
風速の数値を体感に置き換えることで、「台風で最大風速が〇〇m」と聞いたときに、すぐ危険度が判断できるようになります。
💡 ワンポイント
天気予報で「風速5〜10m」と聞いたときに、「だいたい時速20〜40kmくらいの風」と置き換えて想像すると、どのくらい強い風か感覚的にわかりやすくなります。
数字を体感に変えるだけで、防災意識はぐっと高まります。
風速を時速に換算して考えるクセをつけておくと、台風や強風の日に冷静な判断ができますよ。
強風・暴風時の安全対策と注意点

台風や強風の日は、「どのくらいの風速なら危ないのか」を知るだけでなく、実際にどう行動すれば安全なのかを知っておくことが大切です。
ここでは、外出時と自宅でのポイントをわかりやすくまとめます。
🚶♂️ 外出時の注意点
風が強い日は、まず外に出ないことが一番の安全対策です。
どうしても外出が必要な場合は、以下の点に気をつけましょう。
- 風の通り道(橋の上・高層ビルの間)を避ける
- 看板・自販機・街路樹などの近くを歩かない
- 傘を無理にささない(視界が悪くなり危険)
- 帽子や軽い荷物は飛ばされないよう固定する
特に風速20mを超えると、転倒や飛来物によるケガのリスクが高まります。
風を正面で受けないようにすることを意識しましょう。
🏡 自宅での備え
自宅にいるときも、油断は禁物です。
風速30mを超えるような強風では、飛んできた物が窓を直撃することもあります。
- 窓ガラスには養生テープや段ボールで補強を
- カーテンを閉めてガラス飛散を防ぐ
- ベランダの植木鉢・物干し竿は必ず室内へ
- 停電に備えて懐中電灯・モバイルバッテリーを準備
- 断水に備えて飲料水・生活用水を確保
また、万が一の避難に備えて、非常用持ち出し袋や避難経路の確認もしておきましょう。
🧒 家族・子ども・ペットの安全も忘れずに
強風時は、大人よりも体の小さい子どもやペットのほうが影響を受けやすいです。
屋外に出すのは控え、室内でも窓際やベランダ付近は避けるのが安全です。
また、学校や保育園が休校・休園になる場合もあるので、自治体や施設からの情報を早めに確認しましょう。
強風や暴風のときは、「外に出ない」「飛ばさない」「備えておく」が鉄則。
少しの準備で、命を守れる確率がぐっと高まります。
🌈 まとめ|風速の数字を“体感”で理解して備えよう

しつ爺よ、風速50メートルの風というのは、
まさに新幹線並みの風だったのだな……。

ええ、殿下。想像以上に恐ろしい力でございます。
ですが、備えあれば憂いなしでございますぞ。

うむ。数字の意味を知っておくことこそ、王国を守る第一歩だな。
風速という言葉は毎日のように耳にしますが、数字だけだと実際の危険度がなかなか伝わりにくいものです。
でも、「風速10m=バイク並み」「風速30m=高速道路の車」「風速50m=新幹線レベル」とイメージすると、風の強さがぐっと実感できますよね。
近年の台風は以前よりも勢力が強く、最大風速40〜50mのケースも珍しくありません。
そんなときこそ、風速の数字を体感で理解しておくことが『自分と家族を守る第一歩』です。
風が強くなってきたときは、「まだ大丈夫」ではなく「そろそろ危ないかも」と一歩早めの判断を。
そして、屋外に出るのを控えたり、窓の補強や避難準備を進めたりといった行動が、被害を防ぐことにつながります。
🧭 本記事を読んだ後はぜひ…
- 防災グッズを準備する
- 家族で災害時の連絡方法を決めておく
- 避難場所と避難ルートを一度確認しておく
ことについて考えていただき、できれば実践してください。
台風シーズンは毎年やってきますが、備えをしておけば慌てることはありません。
天気予報の「風速〇m」という数字を、“自分の感覚”に置き換えて考える習慣をつけておきましょう。
それだけで、防災力は確実に上がりますよ。
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